閑話休題:植物の分布とジオロジー
地質学と植物について、密接に関わっている。
というのは周知の事実だろう。
火山性の土壌は酸性になりやすく、
酸性土壌に繁茂する植生は限られている。
例えば、ツツジの仲間は土壌が酸性で水はけが良い土地に群生する。
それは、霧島など数百年に一度の頻度でプリニー式噴火を繰り返している
火山で顕著に現れる。
マグマ換算で1 km3もの軽石を一度に(数日で)噴出する。
すると、給源近くの地表はすべて軽石で覆われ、
植生は死滅する。
そこで、はじめに優位にたつのがツツジの仲間である。
観賞用として人気があるようだ。
そのため、自生地では乱獲される運命にあるらしい。
乱獲により希少性が上がり、価格が上昇する。
この世には、「ツツジ御殿」なるものが建てられるそうな。
その後、自称保護活動家が幅を利かせて
不自然な形で保護がなされる。
どこかで聞いたことのある話だ。
糸魚川の翡翠なんて、違法採取と密売で同じようなことになっている。
自然物は見る目がないと、破壊されつくされる。
これは、植物も地学も同じ様な現象。
保全と保護が必須だということがわかる。
哺乳類に関しては、なぜか関心が行きやすいらしく、
優先的に保全保護がなされる。
ただし、20世紀以前は哺乳類ですら保全保護の対象になっていなかった。
一歩進んで他の自然物や文化財についても保護が必要なことを知ってほしい。